10年以上前はお客様からどんなことを言われても、
「お客様だから仕方がない」
「とにかく謝っておこう」
「怒らせないように我慢しよう」
そんな対応が当たり前のように行われていました。
お客様が怒鳴っていても、ひたすら頭を下げる。無理な要求をされても、何とか応えようとする。
お客様を大切にすることと、お客様の言いなりになることが混同されていた時代でした。
そして今、カスタマーハラスメント対策が企業に義務化され、お客様との関係も大きな転換期を迎えています。
これからの時代は、「お客様と従業員は対等な関係」であるべきなのです。
ただし、ここで勘違いしてほしくないことがあります。
対等だからといって、お客様に偉そうにしていいわけではありません。
「お金を払っているから偉い!」というお客様も困りますが、
「こっちは働いてやっているんだ!」という従業員も困ります(笑)。
これでは、お互いに気持ちよく仕事なんてできません。
大切なのは、お互いを一人の人間として尊重することです。
どちらが偉いという上下関係はありません。
だから、
「土下座しろ!」
「今すぐ責任者を呼べ!」
「誠意を見せろ!金を払え!」
といった威圧的な言動や不当な要求は、受け入れる必要はありません。
ただ、私が懸念していることが一つあります。
企業・店舗でカスハラ対策が進むことで、正当なクレームまで敬遠されてしまうことです。
お客様から厳しいことを言われた。
少し強い口調で注意された。
だからといって、すぐに「カスハラだ!」と決めつけてはいけません。
そもそも、こちらの説明不足や初期対応の失敗が原因で、お客様を怒らせていることだってあります。
だからこそ、これからのクレーム対応には「見極める力」が必要なのです。
正当なクレームには、しっかり向き合う。
悪質なカスハラには、毅然と対応する。
そして、必要であれば対応を終わらせる。
すべてのお客様の要求に応える必要はありません。
でも、すべてのお客様を疑う必要もありません。
私は、これからのクレーム対応で大切なのは、お客様も従業員も、お互いが気持ちよく関われる関係をつくることだと考えています。
そのためには、お客様に感謝する気持ちも、働く人を大切にする気持ちも、どちらも欠かせません。
「お客様は神様」の時代から、「お客様と従業員は対等」の時代へ。
お客様を大切にする。
そして、働く人も大切にする。
そのために、受け止めるべきクレームと、拒絶すべきカスハラを見極める。
これこそが、これからの時代に求められる**「超一流のクレーム対応」**だと、私は考えています。
